「スポ-ツ障害」を避けるために

スポーツ外傷が一回の強い力によって生じるのに対して、スポ-ツ障害(Disorder)は一回の外力の大きさは小さいけれども、同じ部位に何回も繰り返し外力が働いたために生じる身体の異常です。

使い過ぎ(過使用overuse)か、おかしな使い方(誤使用mal-use)によって起こるものです。これは、個人の筋力、持久力、柔軟性、技術、身体的異常などに原因がある場合もありますし、またトレ-ニングの量・質などトレ-ニングの計画やトレ-ニングを行なう場所等に原因がある場合もあります。
スポ-ツ障害の中には、個々のスポ-ツによって、特徴的な障害もあります。このため、野球肘・テニス肘・ジャンパ-膝・ランナ-膝・水泳肩・野球肩など、よく起こるスポーツの種目と部位を冠した名称で呼ばれる場合があります。
また、障害を受ける組織により、腱鞘炎・腱周囲炎、関節炎、過労性骨膜炎、などと呼ばれる場合もあります。
弱い外力が骨に繰り返し働いた時に骨折を生じることも決して稀ではありません。(このような骨折を疲労骨折stressfractureといいます。)スポ-ツ障害の初期には、痛みがスポ-ツの後だけにある(Ⅰ期)のですが、放置しているとスポ-ツ中にも痛みを覚える(Ⅱ期)ようになります。さらにひどくなると常時疼痛が持続しスポ-ツ活動が満足に行なえなくなります(Ⅲ期)。できるだけ早く原因を明らかにして、早く治す事が大切です。

自分で出来るチェック項目を挙げてみましょう。

1.コンディショニング

ウォ-ミングアップ(ストレッチングも含めて)やク-リングダウンは正しく行なわれているかどうか、練習の量は適切かをチェックしましょう。自分の身体の状態を調べ(必要なら医師の診察を受けて)、その状態に応じて練習しましょう。

2.テクニック

障害がテクニックに原因することは少なくありません。正しい、そして自分に合ったテクニックを身につけましょう。上達することは、競技の成績を上げ、あるいはスポ-ツの楽しみを増すばかりでなく、ケガを少なくすることにも大いに役立つのです。

3.用具

使用している用具が自分に合っているかどうかをチェックしましょう。ラケットとかバットとかはもちろん、靴、眼鏡、服装にいたるまで見直してみましょう。

4.設備および環境

天候に合わせてトレ-ニングできてますか?硬すぎる路面や、傾いた道路の端を走っていませんか?、などなど。

5.速度

ランニングのスピ-ドはいきなり速くしてませんか?テニスの相手が上手すぎて、ボ-ルのスピ-ドがあなたに速すぎませんか?などなど。